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カズマのものづくり精神とは?作り手のこだわりに迫る

    カズマのものづくり精神とは?作り手のこだわりに迫る

    『DR!UM(ドリウム)』を運営する「株式会社カズマ」の本社がある福井県は、繊維業がさかんで“繊維王国”と呼ばれるほど。経済産業省の「工業統計調査」(2019年度)によると、人口1人あたりの繊維工業の年間出荷額は福井県が1位なんです。

    カーテンをはじめとしたレースの生産量は日本トップクラスで、ドレープカーテン生地の生産も盛んに行われています。そのなかでもカズマは、生産量や技術だけでなく、新しいレースや機能素材の開発でも注目されているんです。

    そこで今回は、カズマのカーテンづくりをどんな人たちが支えているのかを知りたくて、福井県福井市にあるカズマ本社を訪問。現場に息づくカズマのものづくり精神や作り手のこだわりについて、製造統括部の田中滋さんにお聞きしました。

    株式会社カズマ 製造統括部 田中滋さん

    「日本の住宅をカズマのカーテンで彩る」を目標に、社員の力を100%発揮できる現場づくりに力を注いでいます。

    カズマは挑戦を楽しむものづくり集団

    カズマの工場では現在、約170名の社員がカーテンをはじめとしたホームファッション商品を生産しています。

    「一緒に仕事をしていると、みんなものづくりが好きなんだなって感じますね」という田中さん。

    田中さんから見たカズマは、自分たちの仕事にプライドを持って、品質や納期の期待に応えようと懸命に働く人の集まりなんだそう。
    「特に工場は『自分たちがやらないとカズマの商品ができない』という自負があるので、仕事に対する責任感や使命感が強いなと思います」。
    現場のリーダーやベテランが社員をよくまとめているのもあって、工場がひとつのチームとして機能しているところも、カズマ品質を生み出す要素になっているようです。

    また、工場では縫製担当の社員に窓装飾プランナー資格の取得を勧めたところ、年齢や職歴を問わず進んで勉強する人が出てきているそう。ベテランの域になっても自分の成長に意欲を持つ人がいることに田中さんは喜びを感じています。
    「従来のやり方を変更したり、新しいことを取り入れたりしても、誰もネガティブな意見を言わないんです。変化をいとわず、新しいことにチャレンジする前向きさがあるんですよ。こういう雰囲気、私はすごく好きなんです」。

    分かります!会社がポジティブな雰囲気だと意見を言ったり、新しいことを提案したりしやすいですよね。そういう社風が自分たちにしかできないものづくりの原点になるんだと思います。

    進化するカズマのものづくり

    「以前は生産管理や営業に携わっていたんですが、工場を担当するようになって縫製って面白いなと思うようになりました」という田中さん。

    カズマは多品種生産を得意としているので、さまざまな生地を取り扱っています。
    生地にはそれぞれ特徴があり、熟知するにはある程度の経験が必要なんだそう。
    「生地を縫うスピードや針の太さ、糸のテンション、いろいろな条件を試行錯誤しながら生地ごとに最適な縫い加減を見つけていくんです。仕上がりのきれいさにこだわるからこそ、簡単なようで難しいんですよね」。
    生地って見た目は似ていても、縫ってみると全然違っていたりして、個性が豊かなんだそう。まるで生きものみたいですね。

    「縫製部門はベテランの技術を広く共有するためにジョブローテーションを行い、どの工程もこなせるマルチスキルな人材育成に取り組んでいます。近年ではミシンもIT化が進んでいるので、ベテランの勘で得た最適条件をプログラミングすることにも取り組んでいます」。
    カーテン製造の現場でもIT技術が浸透しているんですね!いろいろな形で技術が継承されていく職場は若手も学びやすそうです。

    その一方で、「徹底的な手づくりで社員の技術を生かしたものづくりもしてみたい」とも考えている田中さん。
    「例えば、お客様とテーラーが話をしながらスーツを作るビスポークみたいに、カーテンもイメージを絵に起こして、一緒に生地を選びながら仕立てていくとか。技術のある社員を職人化して、お客様から指名がくるような、作り手が見えるものづくりをしていくのもいいんじゃないかと思っています」。
    現場の技術力を信頼しているからこその発想ですね。これが実現すれば、さらに専門性を極める道が開けるんじゃないでしょうか。楽しみです!

    窓装飾の新しいかたちを生み出すために

    カズマでは自社のものづくり精神をあわらす「新化・深化・進化」の3つのSHINKAになぞらえ、5年スパンで会社の改革を進めているそう。

    「2015年~2020年は働き方改革などで会社の体制を変えていき、次の時代に向けた新しい商品や事業を生み出していく期間でした。2021年からの5年間は、新しく生まれたものを深め、成熟させていく期間だと考えています」と田中さん。

    新化から深化への第一歩を歩み始めたいま、田中さんはお客様の困りごとを解決するメーカーマインドあふれるものづくりをさらに追求していく必要があると考えています。
    「社員にとっても、作りたいものを具現化することで成長の機会が得られると思うんです。そのためにも攻めの姿勢に変えていかないと」。
    カズマでは現在、ものづくりプロジェクトを発足して、カーテンの枠にとらわれない商品開発を進めています。縫製部門もプロジェクトに参加して商品を提案し、直営店での試験販売も行っています。この取り組みで本格的に商品化するものが出てくると、田中さんが望む攻めの姿勢が一気に加速しそう。

    「私たちは生地で窓まわりを飾ることに新しい名前をつけて、暮らしを楽しむ提案として発信していきたいんです。そこから生まれたアイテムや技術が、カズマにしかない価値として認められるよう頑張っていきたいですね」。

    日本じゅうの住宅をカズマのカーテンで彩る——。そんな目標も、田中さんのお話を聞いていると、3つのSHINKAの実現によって叶っていきそうな気がします。
    だって、カズマにはものづくりが大好きで、新しいことに挑戦することを楽しめる人がたくさん揃っているんですから!

    まとめ

    工場は女性が多いことから、田中さんは女性のスキルやキャリアを守ることも大切に考えているそう。夢は?と聞くと「社内保育園を作って、安心して女性が子育てと仕事を両立できる環境を作りたい」と答えてくれました。
    人の能力が上がる環境を作ることで、社員の成長を応援し、よりよいものづくりを実現したいという田中さんの言葉に、カズマって本当に人が財産の会社なんだなと実感しました。

    生地からつくるオーダーカーテン