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防炎カーテンとは?設置が義務づけられた場所があるって本当?

    防炎カーテンとは?設置が義務づけられた場所があるって本当?

    住まいの中で起きる事故で、もっとも怖いものが「火事」ではないでしょうか。
    火の始末など、日頃からいろいろなことに気を配る人も多いですが、簡単にできる逃げ遅れ対策として取り入れたいのが「防炎カーテン」です。

    消防庁が発表している「消防白書」(令和2年度版)によると、令和元年は3万7683件の火災が起きていて、1486人もの方が亡くなっています。
    その原因の49.6%が「逃げ遅れ」で、およそ2人に1人が、避難が間に合わずに命を落としているんです。
    いかに火災が怖いものか、データから伝わってきますよね。

    そこで今回は、「そもそも防炎カーテンってなに?」というところから機能の特徴に触れながら、取り入れ方のポイントについてご紹介したいと思います。

    (出典:令和2年度年版 消防庁「消防白書」PDF)

    防炎カーテンとは

    防炎カーテンがあることを知っていても、「具体的にどんな機能があるのかや、どんな場所に設置するといいのか、よく分からない」って思っていませんか?
    ここでは防炎カーテンの基本的な知識を詳しくご紹介します。

    もしものときに「燃えにくい」機能を発揮

    防炎カーテンは燃えないカーテンではなく、火がついても燃え広がりにくい機能を持ったカーテンのこと。
    燃えにくく、燃え広がりにくい性質があるので、火災になったときに初期消火や避難する時間を稼ぐことができるんですよ。

    場所によっては設置義務がある

    防炎カーテンは消防法によって設置が義務づけられている場所があります。

    ・病院やホテル、学校、商業施設など、不特定多数の人が出入りする施設
    ・マンションやオフィスビルなど、31m(およそ11階建て)を超える高層建造物のすべてのフロア

    こんな人には防炎カーテンがおススメ

    ・高層マンションに住んでいる(31m以上の建物に住んでいる場合は、1階でも防炎カーテンの設置が義務づけられています)
    ・万が一のときのために、できる備えはしておきたい
    ・家族に高齢者やからだが不自由な方、小さな子どもがいる
    ・冬場の暖房は石油ストーブやファンヒーターがメイン

    防炎カーテンのしくみ

    繊維って燃えやすいものなのに、どうして燃えにくくすることができるの?って思いますよね。
    そこには繊維づくりの技術が生かされているんです。
    防炎カーテンはポリエステル製がほとんど。ポリエステルはもともと着火しにくく、一気に燃え広がりにくいという特徴があります。その特徴を生かしながら、さらに燃えにくくするための加工がプラスされているんです。

    製造方法は大きく分けて、ポリエステルに難燃剤を練り込んだ糸で作る方法と生地に薬剤加工をして防炎機能を持たせる方法があります。

    普通のカーテンだと数十秒で天井まで燃え広がってしまいますが、防炎カーテンは炎が当たっても黒く焦げることで火が広がるのを抑えるはたらきがあります。
    時間的には5~10分程度ですが、一刻も早く避難しなければならない場面では貴重な時間。
    火災現場ではたった数分の差が逃げ遅れの分かれ目になります。そう思えば5~10分の時間を作ってくれる防炎カーテンの役割は重要だといえますね。

    防災ラベルについて

    防炎カーテンをはじめとした防炎品は、(公財)日本防炎協会が品質を管理しています。
    消防法の規制に基づく性能試験に合格した商品には、防炎性能の証として防炎ラベルをつけることになっています。
    カーテンにまつわるラベル表示は、クリーニングなどの取り扱い方の違いによって下記のように分けられています。

    5つ目の「洗濯後再防炎処理したもの」は施設などで用いられるので、一般家庭用は上記の4つの表示のいずれかになります。
    水洗いが可能な場合は自宅で洗濯が可能ですが、ドライクリーニングが必要なもの、水洗いすると再防炎処理が必要になる表記がある場合は要注意。うっかり洗濯してしまうと防炎機能が失われたり、カーテンそのものがダメになる場合があるので、ラベルの確認を忘れないでくださいね。

    防炎カーテンの選び方

    ひと昔前は無地しかなかった防炎カーテンですが、今では色のバリエーションが広がり、多彩なプリント柄の商品も増えてきました。厚地カーテンはもちろん、レースカーテンにも防炎機能付きのものがたくさんあるので、機能性もデザインも両方こだわって選べます。

    選ぶ際のポイントは3つ。
    まずは公に認められた防炎商品であること。先ほど紹介した(公財)日本防炎協会の防炎ラベルがあることをチェックしてくださいね。
    次に確かめたいのが、お手入れがしやすいかどうか。自宅でカーテンを洗濯したい方なら、ラベルに水洗い洗濯が可能と表示されているものやウォッシャブル機能があるものを選ぶといいですよ。
    最後は防炎プラスアルファの機能にも注目すること。防炎はもちろん、紫外線対策もしたい、プライバシーにも気を配りたいなど、自分のニーズにあう機能を併せ持つ多機能タイプに注目してみるのもおススメです。

    おすすめの防炎カーテン3撰

    【2色】北欧ヴィンテージ風幾何柄の防炎カーテン

    遮光2級の生地に、コントラストの違う台形や長方形の幾何柄を表現したモダンな1枚。遮光2級の厚めの生地ながら、風合いはやわらかで、軽さのある杢感がカジュアルな印象です。

    幾何柄は形こそランダムですが、タテの巾をそろえることで、カーテンとして掛けてみた時にタイル調見えるよう仕上がりを工夫しました。

    【3色】北欧風アーガイルチェック柄の防炎カーテン

    光沢のあるブライト糸を使用した非遮光の厚地カーテン。デザインはブリティッシュなアーガイルチェックのつなぎ目にドットを合わせ、可愛さも感じる北欧風に。

    見る角度によって、スタイリッシュさと可愛さの両方の表情が楽しめるよう工夫しました。

    【2色】外気・紫外線・外からの視線もカットする防炎レース

    レースとしては比較的厚めの生地で、少し光沢のあるしなやかな生地です。

    柔らかでひだ落ちがよく、さりげないストライプに編まれたトリコット調の柄。

    外からの光を取り入れながら、熱や紫外線はカット。さらに外からの視線も遮ってくれるという、1枚で優れた機能がたくさん付属した商品です。

    まとめ

    私たちの生活空間は燃えやすいものでいっぱい。特にカーテンは火が付くと天井まで炎が上がり、一気に火災が広がることも。
    防炎機能を持った商品はカーテンだけでなく、じゅうたんや寝具など、いろいろな製品があります。
    失火を防ぐのが一番の火災対策ですが、万が一のときに逃げる時間を稼ぐ備えとして、防炎アイテムを取り入れることも考えてみてくださいね。